はじめに｜「記録する人事」から「意思決定する人事」へ
採用の現場では、面接の準備、進行、報告、合議、候補者フォロー——やることが多すぎます。しかも重要なのは、スピードと公平性、そして一貫性。ところが手書きメモや記憶頼みの運用では、どうしても抜け漏れや解釈のズレが生じがちです。
そこで登場するのが議事録AI**『ギージー』**。会話の録音・文字起こし・要約・共有・検索までをワンストップで支援し、面接と人事会議を“データ化”します。人が本当にやるべき「見極め」「コミュニケーション」「意思決定」に集中できる環境をつくること——それがギージー導入の最大の価値です。
本記事では、人事職の方がギージーを導入・活用することで明日から実現できる運用を、実務目線で詳しく解説します。テンプレートやプロンプト例も豊富に掲載。記事の最後まで読めば、チームで同意形成できる“導入計画”まで描けるはずです。
この記事で学べること（到達点）
- 面接の「聞き逃しゼロ」を実現
- 選考の透明性を「音声ログ」で担保
- 面接報告・選考記録が爆速に
- 候補者フォローをスピーディーに
- 過去の面接内容を「検索できる資産」に
- 人事ナレッジの蓄積と可視化
- 情報共有が「リンク 1 つ」で完了
- 複数人面接でもヌケ・モレなし
- 人事会議の記録をナレッジ化
- 面接内容をそのまま資料に引用・要約
1. 面接の「聞き逃しゼロ」を実現
なぜ聞き逃しが起きるのか
- 面接官は“質問する/空気を読む/時間配分をする”の三重タスクで同時に正確なメモを残すのが難しい。
- 候補者の回答が長く、冒頭の重要点が記憶から抜ける。
- オンライン・対面・英語面接など形式が変わるたびに記録粒度が安定しない。
ギージーで何が変わるか
- 会話を音声で収録し、自動で文字起こし。発言ごとにタイムスタンプが付くので、重要箇所へ即ジャンプ。
- 面接直後に要点サマリーが生成され、強み/懸念/カルチャーフィット/質問未消化などが整理される。
- そのまま評価フォームや合否メモに貼り付け・再編集できるため、メモの取りこぼしが根絶。
即実践の運用ステップ
- 面接開始前にギージーを起動（オンラインでも対面でも可）。
- 候補者に録音の主旨を伝達（同意取得）。
- 面接中は観察と深掘りに集中。メモは最小限に。
- 終了後3分で要約→報告へ。必要なら該当箇所の音声を聴き直し。
Tips: 面接の前半で「職務経験」「成果」「スキル」の事実、後半で「志向」「価値観」「条件」の意向を聞く構成にすると、要約の読みやすさが向上します。
2. 選考の透明性を「音声ログ」で担保
課題
- 合否理由が主観的に見えると、内外への説明が難しくなる。
- 面接官や日によって評価基準のブレが発生。
解決
- ギージーの音声ログと時刻付きの原文が、意思決定の根拠を“事実ベース”で残す。
- 候補者やエージェントからの質問に対し、該当箇所の記録を元に説明が可能。
- 内部的な監査・振り返りの資料としても機能。
実務の型：評価会議では、各候補者につき「強み3点/懸念2点/意思決定の根拠となる原文リンク」を用意。リンクをクリックすれば音声＆テキストの該当箇所に飛べる運用が鉄板です。
3. 面接報告・選考記録が爆速に
よくある現場のボトルネック
- 面接後の文字起こしと整形に時間がかかる。
- 同じ表現を毎回ゼロから書いている。
ギージーで短縮するポイント
- 面接終了と同時に要約案が生成。評価フォーマットに合わせて章立て変換が可能。
- **“強み/懸念/リスク/合否理由/次アクション”**の定型を、ワンクリックで下書き化。
報告テンプレ（コピペ可）
件名: 【選考報告/一次面接】氏名_ポジション_面接日
本文:
- 候補者要約（経歴・主要スキル・直近成果）
- 強み（根拠リンク）
- 懸念（根拠リンク/確認質問案）
- 合否判断・理由
- 推奨次アクション（課題/課題解消の検証設計）
差分運用: 二次以降は「一次からの変化点」「懸念の解消有無」だけを追記。記録の重複を避け、累積の意思決定ログに集中します。
4. 候補者フォローをスピーディーに
迅速なフォローが“体験”を決める
合否連絡や次回案内が遅れると、**候補者体験（CX）**が一気に悪化。辞退や競合流出につながります。
ギージーの活用
- 面接記録から、候補者が話した動機/興味/制約条件を抽出。パーソナライズしたメール草案を自動生成。
- 次回面接のアジェンダ提案や、持ち帰りの課題提示文も下書き化。
メール草案サンプル
件名：先ほどの面接の御礼と次回のご案内
[氏名] 様
先ほどはお時間ありがとうございました。特に「[具体テーマ]」でのご経験は当社の[事業/役割]に強くフィットすると感じました。次回は[評価観点]を中心に、[課題/ケース]を通じて相互に理解を深められればと思います——（以下略）
5. 過去の面接内容を「検索できる資産」に
断片の記録から、横断の知へ
- 従来のメモは保管場所がバラバラで、検索も困難。
- ノウハウが個人に閉じるため、引き継ぎで再学習が発生。
ギージーで実現すること
- 面接ログを一括で検索。スキル、ツール、業界、実績などのキーワードから横断的に参照。
- 「過去に同職種を合格した候補者の回答傾向」や、「辞退者の共通要因」の抽出が容易に。
使いどころ: 採用要件の見直しや、面接質問集のアップデートに実データで反映できます。
6. 人事ナレッジの蓄積と可視化
組織に残る人事の“目”をつくる
- 良い面接官の問い、見極めの観点、候補者の優れた回答——これらを社内ナレッジとして構造化。
- 職種ごとに「必ず聞く5問」「深掘りプローブ」「評価基準の定義」をまとめ、常に更新。
可視化の例
- ダッシュボード：候補者満足度コメント/辞退理由の上位/評価の相関（例：実技課題スコアと現場評価）。
- ライブラリ：優れた回答サンプル集、ケース面接の模範解答、カルチャーフィットの具体例。
7. 情報共有が「リンク 1 つ」で完了
共有フローの効率化
- これまで：議事録→整形→PDF化→メール添付→権限確認……。
- これから：リンク 1 つをSlack/メール/ATSに貼るだけ。アクセス権限を設定して、必要な人だけに共有。
メリット
- ファイルの再送/重複がなくなる。
- 参照先が常に最新に保たれる。
- モバイルでも即閲覧できる。
8. 複数人面接でもヌケ・モレなし
パネル面接の課題
- 司会/技術/カルチャーなど役割が混線しがち。
- 担当者ごとにメモが分散し、統合に時間がかかる。
ギージーでの解決
- 面接中にタグ（例：技術/行動特性/マインド）を付与して、後から観点別で読み直せる。
- 面接後は1つの記録に自動統合。発言の根拠リンクを共有し、評価会議に直行できる。
運用TIP: 開始前に「誰が何を見るか」を短く宣言。ギージーの記録には、各観点のチェックリストを事前に貼っておくと迷いが減ります。
9. 人事会議の記録をナレッジ化
議論の“熱量”を意思決定の“資産”に
- ポジション新設、要件変更、内定条件、採用広報の方針——会議で出た示唆を残せていないと、毎回ゼロベースで議論が再開します。
ギージーの使い方
- 会議を記録→論点別に要約→決定事項/宿題/担当/期限まで整理。
- 議事の時系列ログが残るので、施策の効果検証が容易に。
10. 面接内容をそのまま資料に引用・要約
ボード報告や現場共有をワンクリックで
- 面接の抜粋をそのまま引用したスライドやメール文面を生成。
- 職種別に粒度を変えた要約（例：経営向けは結論先行、現場向けは技術詳細多め）を自動で作成。
ケース: 週次採用会議資料は「今週の新規応募/面接実施/合否/辞退要因/次週重点」の5枚で固定。各項目はギージーの要約から自動差し込みにすると、10分で完成します。
運用設計ガイド｜90日で定着させる
フェーズ1（週1〜2回の利用）
- 対象：ハイボリューム職種の一次面接
- 目的：“聞き逃しゼロ”と報告時短をまず体験
- 成果物：要約の品質サンプル、評価フォームの改善案
フェーズ2（対象拡大）
- 対象：パネル面接/英語面接/人事会議
- 目的：透明性とリンク共有で運用負荷を低減
- 成果物：合否根拠リンク集、会議の決定事項ログ
フェーズ3（標準化）
- 対象：全職種・全会議（例外ルールを明文化）
- 目的：検索できる人事データベースの完成
- 成果物：質問集・評価基準・ダッシュボード
プロンプト&テンプレ集（そのまま使える）
1) 面接要約生成
- 「以下の面接文字起こしを、強み/懸念/合否の根拠（原文リンク付）/次アクションで要約して」
2) 候補者フォロー文面
- 「候補者が面接で語った動機と懸念を抽出し、御礼メールの草案を300字で」
3) 評価会議用メモ
- 「一次と二次の差分だけを抽出し、解消された懸念/未解消の懸念/追加で確認する質問を列挙」
4) 面接質問集の更新
- 「辞退者の発言ログから共通要因を3つに要約し、次回面接で確認すべき質問案を5つ作成」
5) ボード報告資料
- 「今週の採用状況を5枚のスライド要約に。定量（応募/面接/合否/辞退）と定性（候補者の声/改善点）を分けて」
セキュリティと個人情報の配慮
- 録音の同意取得フローをテンプレ化（冒頭での口頭確認＋案内文）。
- アクセス権限は最小限に。採用関係者以外には共有しない。
- 保管期間と削除ポリシーを明文化し、ATSや人事ポータルに掲載。
導入チェックリスト（抜粋）
- 面接前の同意文面を準備（日本語/英語）
- 職種別の評価観点とタグ定義を合意
- 報告テンプレをATS/Slackに連携
- 週次採用会議の資料フォーマットを固定
- 権限ロール（人事/面接官/経営）を設定
- ナレッジ更新のオーナーと頻度を決定
よくある質問（FAQ）
- 対面面接でも使えますか？
A. はい。PC/モバイル問わず収録・要約が可能です。会議室に常設PCがなくても、面接官の端末で運用できます。
- 文字起こしの精度が不安です。
A. 録音環境（マイク位置/雑音）で品質が変わります。開始前のテストを推奨。重要箇所は音声ログで根拠確認できます。
- 機密性は担保できますか？
A. アクセス権限の設定と、社内の情報管理ポリシーを併用してください。共有リンクは期限付きや閲覧のみ運用が安全です。
- 現場面接官の手間は増えませんか？
A. 逆です。面接中のメモ負荷が下がり、終了後の報告が一気に短縮します。テンプレとセットで使うと効果が高いです。
おわりに｜“記録”がチームを強くする日
採用はスピード勝負であり、同時に説明責任が問われる領域です。ギージーで会話をデータとして残せば、判断の根拠はクリアになり、現場の納得度は上がり、候補者体験も改善します。なにより、人事が“記録係”から解放され、本質的な見極めと口説きに時間を使えるようになります。
明日の面接から、まずは1件。ギージーで“聞き逃しゼロ”を体験してください。そこから、採用の強さは加速します。
